5月中旬、ガイドで佐渡島を訪れてました。
佐渡島は新潟県の沖合いに浮かぶ、沖縄を除けば日本最大の離島で、大型の動物がいない事から独自の植生が守られた花の楽園です。

当然離島なのでアプローチはフェリー。今回は車を持ち込み、10日程滞在することになりました。

家で留守番させてるパセリが心配。かといって佐渡に連れて行き、暑い車内に残す訳にもいかないので長期で留守番できるシステムは作りました。

ガイドとして佐渡島に来るのは初めて。佐渡の観光はこの1ヶ月程に集中しており、タクシーの予約も一苦労でした。この時期にだけ運行しているシャトルバスはありますが、本数に限りがあるのでツアー登山はお断り。
離島なので運転手も足りておらず、かといって冬は観光客が来ないので働き手を増やす事もできないそうです。なかなか大変そうです。

それではガイド1日目。海抜0Mの両津港で集合し、タクシーに乗って890Mのドンデン山荘まで一気に登ります。簡単にチェックインを済ませ、近くのドンデン池まで周回する2時間程度のトレッキング。

稜線は天然の芝に覆われており、エチゴキジムシロやスミレサイシンが群生していました。

本州なら鹿に食われて即全滅ですが、佐渡島に鹿はいません。昨今有名になっている熊もいません。ヒトを除いた最大の哺乳類はタヌキだそうです。(キツネもいません)
ドンデン周辺の最高点、尻立山に到着。360度海を見渡せる最高のロケーションで、明日目指す大佐渡稜線や反対側の金剛山も見えます。ドンデン池で折り返し、散策路を歩きます。

ドンデン避難小屋周辺から、シラネアオイが登場しました。雪深い土地でしか咲かない貴重な花で、佐渡に来る登山者のお目当てはまさにこの花でしょう。

すぐ近くにカタクリやキクザキイチゲも咲いていました。

少し歩くとニリンソウの群生地も現れました。白くて目につきやすい花で、山菜としても有名です。猛毒のトリカブトとよく似ている上に混植するので注意しましょう。私は怖くて食べたことがありません。

山荘に帰ると夕食です。豪華なビュッフェを楽しめる食堂で、シェフ拘りの逸品が並んでいました。
グラタンの中身はマカロニではなくフキ。この近くで採れたそうです。湧水を使ったお風呂にも入れて至れり尽くせりでした。

夕食後、もう一度尻立山方面に歩き、夕日を眺めました。芝なので見晴らしがよく、日本海の水平線に太陽が沈んでいきます。天気にも恵まれ、まさに絶景。ただ、太陽と海の恩恵はこれで終わりではありません。

翌朝4時。宿のテラスに出ると、昨日沈んだ太陽が再び顔を出しました。オレンジ色に輝く朝陽の前に、鳥海山、月山、朝日連峰、飯豊連峰が浮かんでいます。ここ佐渡は海に囲まれている上に窪地なので、雲海ができやすいそうです。これを見るだけでも来た甲斐がありました。

朝食を平らげてから宿を出発。昨日のニリンソウ群生地から縦走路に入ります。

道中、ヒトリシズカやチゴユリが可憐な姿を見せていました。シラネアオイも登山道沿いに咲いており、マルハナバチが花の蜜を懸命に集めていました。フワフワのお尻が可愛い。

やや急な坂を上り、見晴らしのいいマトネに到着。ここから本格的に縦走路が始まります。
とはいえ大佐渡の縦走路はマトネと金北山に急斜面があるくらいで、あとは小さなアップダウンを重ねていくのみ。難所らしい難所もないので初心者でも安心して花を観賞できる山です。

ツンブリ平に到着。眺めも良いので少し休憩です。
ツンブリの由来は全く分かりませんが、この辺りに堆積しているガレは佐渡島が隆起した際にはまだ岩場だったそうで、それが強烈な北風に晒されることで風化し、できた物だそうです。

続いて真砂峰に到着。目の前に金北山が見えてきました。
今年は雪が少ないとはいえ、まだ残雪あり。この残雪が花達を保護してくれているのは言うまでもありません。

天狗の休場を過ぎ、金北山直下の分岐に入ります。左に曲がると雪の残る夏道ですが、こちらは雪に守られたカタクリとイワカガミ、ショウジョウバカマが満開でした。延々と続くカタクリロード。お客様も大興奮で言う事なしです。

役行者を過ぎ、金北山に向けてもう一息。

最後の最後でシラネアオイが道の両側に群生していました。春の花の代表、シラネアオイ。ここまで咲き誇る場所はそうそうありません。

山頂に到着しました。神社の両側に物々しい廃墟がありますが、こちらは戦時中に建てられた施設だそうで、戦後アメリカ軍によって接収されその後自衛隊に返還されたものだそうです。
具体的にどういう物かは分かりませんが、軍用機地であるのは間違いないようです。向かいに見える妙見山には自衛隊のレーダー施設も見えます。

ここから先は防衛省の管理道路をひたすら歩きます。緩やかな砂利道で非常に退屈ですが、自衛隊モデルのグレーダーが駐車していてテンション上がりました。

1時間ほど歩いた所で殺風景な砂利道の傍らにまたしてもシラネアオイの群生地がありました。
既にお腹いっぱいなくらい見たレア植物ですが、なんと超レアな白いシラネアオイを発見。滅多にお目にかかれない花に、お客様のテンションが上がりました。
予定時刻の5分前に、ゴールの白雲台に到着。ここからタクシーで両津港に戻りました。
とりあえず大佐渡縦走ツアーは大成功。佐渡のフラワートレッキング、思った以上のポテンシャルでした。
後半へ続く。

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