今年も布岩の季節が始まりました。
昨年は雪が多く、さらに土砂崩れで道が塞がっていたので入山開始が6月という事態に。
一方で今年は雪が少なく、GWから登りに来ている人もいたそうです。
雪が少なすぎて春スキーを早めに終了したので、あやちゃんと開拓・掃除をしに来ました。
なお1月に妙高に引っ越したので、今年からアプローチに2時間くらいかかります。
そのぶん泊りで集中的に開拓することにしました。
1日目。
北海道旅行と鳥海山スキーから帰ったばかりのあやちゃん。
遅めの集合で、まずは地元スーパーで買い出し。悲しいかな、秋山郷にはまともに買い物できる所がありません。

食材が腐るとマズいので、宿へ向かいます。
こちらは秋山郷の奥にある「もっきりや」。和山集落に1号館がありますが、こちらは昨年知人が運営することとなった2号館です。
まだ準備中なので一般開放はしていませんが、今回泊まらせて頂きました。小屋の中がカメムシだらけなので掃除から始めます。

昼になりましたが布岩に向かいます。
左・中央岩壁はほぼ開拓終了したので、今年は手を付けません。ルートによっては汚れていますが、人が登れば綺麗になるでしょう。
それでは状態を確認したので、右岩壁に移動します。

こちら右岩壁。中央の「ゼロポイント5.10d」で40Mですが、更に大きい。
今回は壁の中央にフィックスを張り、かつて登られていたルートを掃除。並びにフリー化すること。更に未登のルートを登り、マルチルートとしてのデータを集めることです。
まずは3年前に沼田山岳会のSさんが登ったルートを偵察。

現在の布岩には唯一無二であろうワイドクラック。ここからスタート。途中ハーケンがあったがあまり意味はなく、引っ張ると抜けた。5番を使って15Mで終了点に。

面倒なので80Mロープを使ってワンピッチで登る。フィンガーを交えながらのハンドクラックだが、節理が傾いているせいか左に引っ張られる。フットスタンスが大量にあるのでそれほど難しくはないが、肝心なところに土が詰まっていて思うようにいかない。

最後はフレアしたクラックをフェースで登る。やや弾切れになったので残地ハーケンを使わせてもらったが、あまり信用できない。

この先はピッチを切ってあやちゃんにリードしてもらいました。
ただ綺麗なクラックだった1,2Pに比べ、やたらと脆くてまともにプロテクションが取れない。人類史上誰も登ってないんじゃないかと思う汚さである。
日没が迫っているので残念ながら撤収。80Mロープならシングル1本で降りることができました。
もっきりや1号館でお風呂に入らせてもらい、小屋に帰ることにしました。

オーナーK氏によると中津川左岸の林道はまだ整備中らしく、和山集落から「野猿」でアプローチして欲しいとの事でした。これはこれで楽しい。

久々のクライミングで疲れました。山スキーばかりで上半身を使っていなかったので、筋肉ができていない。
薪ストーブに火を灯すと寝てしまいましたが、あやちゃんが夕食を作ってくれました。
お料理女子、素晴らしい。感謝です。道の駅で購入したワインでささやかな乾杯をして就寝。

2日目。5時に目が覚めたので、雪囲いの撤去作業に入りました。
オーナーのK氏は去年坐骨神経痛とヘルニアを発症したので、無理させることはできません。
今日合流するクライマーのYくんとは9時に布岩で待ち合わせ。

あやちゃんと同じくらい強いY君ですが、開拓を手伝ってもらう事にしました。人数が3人なのでマルチをすると一人余りますが、あやちゃんは動画編集や某富士山の山小屋予約で忙しそうです。丁度いい。
折角なので通称「K」ルートをリードしてもらいました。途中からもスタートできますが、ワンピッチで登ると35Mくらいあります。多分ワンピッチで登ったのは彼が初めてじゃないだろうか。
最初の長いフィンガーパートに手こずっていましたが、さすがに強い。今の私にあれほどの馬力はありません。日和ってフォローで登らせて頂きます。
上部はオフフィンガー~ハンドの楽しいセクション。

節理の上に立ったところでピッチを切ります。ここからは難しい部分はないものの、ほとんど登られておらず汚い。15M程進んだところからはロープを背負って歩きに変わります。
ラペル予定の木に行きたいけど、崩れたルンゼに阻まれているのでとりあえず上に登ります。

人工の石垣か?と疑いたくなるような節理を発見。大変立派ですが、自然の構造物らしいです。
ここ布岩は火山である鳥甲山の活動により、内側から節理が生成されているようです。脆いのもそのためらしい。
自然ってすごい。

足を滑らせないように歩き、ガレた岩尾根をラペル。垂直に立った節理の上にいるため、下の様子がよく分かりません。

下にいるあやちゃんに先導してもらい、なんとか成功。誰がいつ打ったかも分からないラペルリングにフィックスを張り、掃除準備完了です。4時間もかかってしまった。

あやちゃんビレイのもと、Y君にはフリールートとして「ゼロポイント5.10d」を登ってもらいました。隣の「ワンポイント5.10a」は長い看板ルートですが、さすがに彼くらい登れると単調で面白くはないだろう。
見事な登りっぷりで見事OS。最後はなかなか辛いルートだが、問題なく行けたようです。
陽が沈んできたうえに小雨も降ってきたので、これにて撤収。
昨日と同じく1号館で温泉を頂く。小屋に帰ると、布岩のすぐ下で採ったウドをパスタにしてくれました。豚肉とウドの香りが疲れた体に染みます。
落ち着いた雰囲気と薪ストーブ、蛇口から出る水は鳥甲山の清流。小屋の周りには山菜が自生。
素晴らしいところです。一般開放が待ち遠しい。

3日目。荷物を撤収しつつ、最後に掃除をします。日当りがいい所はカメムシだらけで、ホウキで掃いて外にポイ。間違っても掃除機で吸ってはいけません。

今日は我々2人だけ。登って掃除したいと思いましたが、なんか右肘が痛いので断念。昨日休んだぶん元気なあやちゃんにお任せします。

私は私で低い位置の木を切りたいのでノコギリ持って出動。
かつて「友達くらぶ」によって開拓されていた布岩ですが、40年経って草木に覆われてしまいました。地面から伸びたツタは根元を切ればすぐ枯れますが、クラックから生えた木や葛のツタはとにかくしぶとい。特に葛は根が深いので、根絶するのに多大な労力が要ります。

岩場の全貌を出すために、とにかく切って切って切りまくる。特に中央部分。草に覆われている凸角部分は水や土が流れにくく自然帰化しにくいためメンテナンスが容易です。
名張の「ゴジラパワー」なんか正にそうでしょう。何としても開拓したい。
時間はかかりますが、このワチャワチャしてる時間も好き。
右肘の痛みが増してきたので、開拓中止にして昼寝をする事に。このあとガイドで離島に長期滞在するため、無茶はできない。

めちゃ集中して開拓しているクライマー女子がいるのでオッサンは眺めているだけである。

帰宅や翌日の用意などもあるため、17時に撤収。フィックスは残したままですが、夏前には回収したいです。
残念ながら温泉はどこも休館していたので、現地解散としました。
家からの距離は遠くなりましたが、改めて来ると秋山郷の雄大さに目を奪われる。今後開拓を進めるべきは岩だけでなく、多方面に及ぶでしょう。この秋山郷の素晴らしさを多くの人に知ってもらいたい。
そのために我々ができることは何だろう。課題は山積みだ。

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