谷川連峰の沢、エビス大黒谷

色々忙しくて自分の山行に行けなかったこの夏。1か月ぶりに沢登りに行きました。

今回同行していただいたのは、今年知り合ったケーシ氏。沢の世界では有名な「サワグルイ」の元メンバーです。
全国の沢についてとても博識で、特に越後の沢は大方網羅してるほどの沢登り好きです。

目指すは谷川連峰のエビス大黒谷。ここは稜線の「エビス大黒ノ頭」に詰め上げている沢で、大西良治さんの「渓谷登攀」にも紹介されています。
全長2kmに満たない短い沢であるにも関わらず、標高900Mを一気に突き上げるという急斜面の沢。当然上級者向きで、谷川連峰の沢でも最上位に食い込むほど難しい沢です。
1か月ぶりだけど大丈夫だろうか...

朝4:30。気温4℃。真っ暗ですが、川古温泉に到着。
ここからが長く、ゲートを超えてから入渓まで約2時間歩きます。林道を歩く際、サワタビだと痛いのでアプローチシューズを用意。

登山道の渡渉点に到着しました。
空はすっかり明るくなり、沢靴に履き替える。下山もここを通るので、アプローチシューズは置いていきます。
登山道を少し歩くといきなり核心、6M滝。
見た目は何てことないですが、ホールドが全て外傾している上に、恐ろしくヌメる。さすがに身の危険を感じたのでロープをつけるも、リスが狭すぎてハーケンすら打てない。
ほとんどフリーソロに近い状態で登り、途中の灌木でようやく1ピン。

すぐに広めのゴルジュ地形になる。以前はこの辺りにも滝があったようだが、ガレキに埋まってしまったらしい。
それにしても良い天気。

少し登ると関門の滝20Mが姿を現す。
ホールドは細かくヌメるが傾斜も緩いしまぁ大丈夫かという事でロープなし。
ケーシさんは左、自分は右からと好き勝手に登る沢屋ふたり。

間髪入れずに登場、25M滝Ⅳ⁺。
どうやら4段になっているらしく、この上にまだ滝があると思うといかにこの沢が急峻か分かる。傾斜は大したことなさそうだがケーシさんにリードをお願いする。

ナメてかかっていた25M滝だが、取り付いてみるとけっこう悪い。
この沢の特徴として滑りやすい蛇紋岩と外傾したホールドがあり、下から見ると簡単に見えても登ってみるととにかく滑る。
慎重に登ってテラスでピッチを切る。

次はロープなしで行けるかと思ったが、微妙に悪いのでロープ継続。右のルンゼを登って沢床へ。

3段目をやや右から巻いて、滑るスラブの上をハンドジャムでトラバース。

続く4段目は5MのCS滝。数年前に遡行した友人は右壁にハーケンを打って何とか突破したらしい。
よく見たら左壁に何かある。スローパーっぽいが掴めそうで、足場さえあればCSの左にジャミングできそうだった。
ケーシさんに足場になってもらい、突破。身長があと10cm欲しい。

やっと難所の4段を超えたかと思った矢先、目の前にとんでもない物が現れる。
この沢最大の核心、30M大滝だ。
スケールは先程の25Mと大差ないが、明らかに傾斜が違う。ここも外傾した蛇紋岩なのかと思うと胃が痛くなる。

ここで選択肢は二つ。右のルンゼから登るか、滝の右壁を登るか。後者は明らかに悪いが、テラスの上にあるため5Mほど高度を稼げる。対して前者は簡単そうだが距離が長くなり、最悪変な方向に導かれる可能性がある。
厄介そうだが右壁を選んだ。

登ってから後悔した。マジで悪い。
滑る蛇紋岩と外傾したホールド。更に全ホールドに泥が乗っており、岩同士が密になっておりカムどころかハーケンを打つ隙間すらない。
落ちたら確実に死ぬ高さだが、打ったハーケンがグラついている。
何とか小指程度の灌木にたどり着き、ハングを左にトラバース。強引なハイステップといつ崩壊するか分からない岩にレイバックをし、泣きそうになりながら登る。

ロープ一杯に伸ばして滝の落ち口の灌木で支点を取る。
次の7M滝は左から何とか登れた。

ここから連瀑帯になり、今までのような大きい滝は出てこない。
ただ一つ一つが悪く、難しい滝が多数。こちらの10Mは右側のチムニーから強行突破。左岸のブッシュから巻くのが無難。

どう見ても登れない2段の滝。右岸の草付きから巻く。

次の滝も登れそうになかったので、早々に左岸から巻く。
気付いたら草付きの尾根に乗っており、ただの藪漕ぎになってしまった。

適当にトラバースして沢に戻るが、すぐ源頭。稜線が見えてきました。

13:45、登山道に到着!けっこう巻いたとはいえ、かなり早い時間に到着できました。
おそらく下山するころには真っ暗でしょうが、とりあえず一安心。
本当にヤバい沢。3本指に入るくらい怖い所でした。

ほとんど人が歩いていない急な登山道を下ります。
一部崩壊していますが、中腹は紅葉に染まり始めてます。

ただ下るだけだと面白くないのでキノコ採り。ミズナラの倒木に「ナラタケ」が生えてました。天気が良かったので悪くない出来です。
すぐ近くに猛毒のツキヨタケも生えてました。全く似てませんが、一応注意。

15:30、渡渉点まで戻ってこれました。体力の続く限り猛ダッシュしたせいか、かなりのスピードです。
ここから先は登山道1時間、林道歩き1時間です。

車に戻って17:40。何とかノーヘッデンで帰ってこれました。
終わってみると面白い沢。ただし、かなりの高強度です。ワンミスで死ぬ可能性もあるので、絶対の自信を持って挑みましょう。

ケーシさん、ありがとうございました!また次回の沢もよろしく!


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